今年もオーストリアの新酒「ホイリゲ」入荷いたしました。
過去のブログで何度もお伝えしておりますが、
「ホイリゲ」はオーストリアの新酒~~フランスのボージョレーのように、その年に収穫したブドウを使って作る新酒~~で、
オーストリアでは毎年11月11日に解禁されます。
解禁日は明日ですが、一足先に試飲させていただきました。
今年の新酒はこのような印象です。
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白「ゲミシュターサッツ」
ホイリゲと言えば白、ホイリゲの白と言えばフレッシュでミネラリーという印象ですが、ここ数年間Zahelのホイリゲは糖度が高く、どちらかというとパワーが果実感に大きく傾いていた印象で、良い意味でタッチのよい「甘口?」とも思える味わいでした。
しかしながら、今年の白のホイリゲは、「おっ」と思わせる、刺激の詰まった仕上がりです。
まず、香りが和梨や、酸の高いリンゴのようなきびきびした香り、硬質なニュアンスです。嗅覚を研ぎすましていくと、ハッカや、ミント、さらに白いスパイスの香りまでに至る、高貴なそして冷涼な白ワインの香りにたどり着き、味わいへの期待が高まります。
味わいは一言で言うならば「シャープ」。口への広がり方が直線的で、舌の上をまっすぐにきびきびした酸がのびていきます。確かに果実の甘みはあるのですが、それ以上に、ミネラルや味わいのある酸があるおかげで、味わいの方向性がまっすぐで、きりっとしています。そして長い余韻が楽しめます。
赤「ツヴァイゲルト」
今年で3年目の「赤」のホイリゲです。
品種は早熟で、早い段階からワインとして楽しめるツヴァイゲルト種を使用しています。
初年度よりも昨年のほうがより洗練されており、今年のものはさらに深みが加わったように感じます。
ツヴァイゲルトのワインと言えばどちらかと言えば、「軽めのワインの中では、ややフルーツの重量感のあるワイン」というイメージなのですが、今年のホイリゲ赤は新酒らしい軽やかさと透明感。
香りは深みを増しており、香ばしさや、スモークがかった感じが捕らえられ、よりフードフレンドリーなワインに近づいたと思います。
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どちらのワインも明日から提供させていただきます。
すみや亀峰菴のお料理とともに、今年の新酒をお楽しみください。