こんばんは ソムリエの田中です。
今回は、今月の献立の中から注目の一皿をソムリエっぽく紹介してみます。
「夏野菜のジュレ掛け」
肉や魚はなくても十分に満たされる、野菜のごちそうです。
夏は色とりどりの野菜が出回る季節。
冬の野菜に比べると、軽やかで、さっくりとした味わいのものが多いですね。
このお料理は、さまざまな夏野菜を、それぞれの個性を上手に引き出すために、
その野菜にあった火の通し方で仕込み、皿の上で一つにまとめています。
賀茂茄子は揚げて
オクラは湯がいて
万願寺は焼いて
ほかにも南瓜、冬瓜、ヤングコーンなど、それぞれの甘み、旨みを存分に引き出します。
それらをまとめるのが、和風ダシのジュレ
透明の砕かれたジュレが清涼感を演出しております。
また、胡麻だれを添えておりますので、掛けていただくと味に深みが加わります。
この一皿を前にして、悩みどころが2点
「どの野菜からいただくか」「どの飲み物と合わせるか」
前者に関しては順番はお好みでもちろん構いませんが、
是非、それぞれの野菜の個性を感じるために、一つ一つを味わっていただきたいのと、
初めから胡麻だれを掛けずに、後半からの味の変化を堪能してもらえればと。
後者の飲み物に関しては、是非ともワインと合わせていただきたいです。
冷涼感のある、フレッシュな白ワインが、もちろんオーストリアワインがおすすめです。
もう少し掘り下げると「ゲミシュターサッツ(混植混醸)※」のワインと合わせたいところです。
※同じ畑で育った品種の違う葡萄が、同時に収穫され、同じ樽で醸造されるワイン
1つのワインから汲み取れる様々な個性が、
各素材にどのようにマッチしていくかを探求しながら、相乗効果を楽しみたいなと思います。